公信248号(2025年4月)

 年会出席が許された後、4月1日にケニア入りして2晩ナイロビで過ごし、テヌウェクに戻りました。冬服の洗濯の後、今度は夏服と少しの冬服を荷造りし直して、協力団体のWGMのリトリートに向かいました。ナイロビから国内線で移動して、ケニアでも標高の低い暑い地方が会場となる為です。経由しなければならない標高の高い首都ナイロビは朝晩冷え込むので、暖かい服も必要になります。今年も、テロ防止のため、最後の出席者が無事会場を離れるまで、「今、みんなでリトリートのためにどこどこに来ています!」といった投稿をSNSにしないように、と注意がされました。
昨年のリトリートは、元ケニア宣教師で今はWGMのメンバーケア部門におられるスタンフィールドご夫妻をお迎えする予定でしたが、ナイロビから国際線に乗り込む直前で心臓発作が起き、急遽手術が行われた、という事がありました。今年のリトリートまでに無事回復され、今年の講師の一端を担って下さったこと、また個別に希望する宣教師にはカウンセリングの時をもって下さったことは感謝でした。
 また昨年のリトリート直前に、テヌウェク派遣宣教師のご兄弟で、別の国で宣教師をしておられた方がテヌウェクで手術を受けられ、順調に回復しておられたのですが、回復室で突然亡くなる、という事があり、その宣教師ご夫妻は昨年のリトリートを欠席され、亡くなられた方のご家族と過ごされました。昨年のリトリート直後にテヌウェク病院葬がもたれ、私もぎりぎりで参列を許されました。一年経って今年はその宣教師ご夫妻も今年のリトリートに参加され、昨年の事に関してのお祈りや様々なサポートに感謝を述べられました。
 同じく昨年のリトリートの時期に、長年勤務していた手術室スタッフのA姉妹が脳出血で急に天に帰られるということもありました。他にも身近な急逝が続き、いっぱいいっぱいだったところで、毎年のように来て下さる超教派のバーニー宣教師がカウンセリングをして下さったのですが、今年も参加して下さり感謝でした。
また今年は、本国からレントゲンの機械を含めて歯科治療のための全てを持ち込んで下さった歯科医のご夫妻がおられました。ホテルの保健室を貸し切って、プログラムの合間に無料で希望者に歯の治療をして下さいました。アメリカでも歯科治療は高額だそうで、帰国直前の方や、今回ユースや子供たちのプログラムのために来て下さったボランティアの方々も恩恵にあずかりました。私も、次回の帰国までなんとか持たせようかと考えていた、小さな詰め物が取れていたところを、2回に渡って治療して頂けて感謝でした。
 今年の主講師は、WGMの本部からメンバーケア部門の2組のご夫妻が来られて、集会部分を導いて下さいました。最初の集会では、まずは励まし、という事で、「チェックメイト」という題の有名な絵画が紹介されました。貴族のようにも悪魔のようにも見える対戦相手がにやにやとしています。チェス盤を挟んで若い司祭らしき人が途方に暮れています。天使のような人も描かれ、彼を心配そうに見ている、という構図です。王手、万事急須、という場面ですが、チェスを良く分かる人に描かれた盤面を見せると、「王様を動かせば」実はまだ打つ手がある、のだそうです。王様の駒と、ワン・モア・ムーブ(もう一手(がある))という言葉が印刷された栞が配られました。チェックメイト、打つ手なし、と見えても、神様が動いて下さる時に希望が、解決があることを思い出す、よすがにして下さい、という事でした。続いて神様との関係、人との関係、地域との関り、個人の聖契などのテーマで語られ、合間にはグループディスカッションもありました。
 費用の観点から前年より一日短縮されましたが、全体にはゆったりとしたスケジュールで、子供たちのために来て下さったボランティアの方々が夕食前後の数時間も子供たちを引き受けるので、ご夫婦でゆっくりして下さい、という日もありました。


家族サービスのために早めに会場入りされた方、リトリート後に家族の時を計画されている方、もおられますが、私はリトリート最終日の翌日に現地を離れる方々と同行しました。午前8時過ぎの便なので宿は6時には出なければならず、非常食使用か、と思っていたのですが、宿で特別に用意して下さいました。朝食をいただきながら、数年前に飛行機が遅れて真夜中になってしまい、到着する空港も変更になった思い出話をしました。すると同席のご夫妻が、雨天の中で遅延となり、預けた布張りのトランクが雨ざらしになって、水が滴るほど濡れてしまった話をして下さいました。ナイロビからアメリカに渡航する予定だったため、小休止した宣教師の家で乾燥機を回して下さったそうですが時間が足らず、十分に乾かないままの出発となったとのことでした。上には上(下?)があるものだなあ、と思いつつ、「遅延位は大したことじゃないと思えてきました。」と申し上げました。
そのことが備えになったのか、ナイロビからほぼ予定通りに飛行機が到着し、さあ乗り込もうと思ったらアナウンスがありました。 「保安上の理由で」「整備が必要で」遅れます、とたびたびアナウンスがあり、結局午後2時頃に(乗客からの拍手と共に)飛び立ちました。途中で10時台発の飛行機も到着し、そちらに乗せてもらえるかと思ったら、そんな変更はなく、後から宿を出発したWGM宣教師の方々も含めたもともとの予定の乗客がやはり少し遅れてでしたが飛び立って、まさに後なる者が先に、の状況だなあと思いました。今回は2回に分けて金券が配られ、空港値段なので通常の2倍、3倍の値段ではありましたが、水分を取ったり、栄養を補給したりできて感謝でした。ただ、「飛行機のチケット持参された方に金券をお配りします」のアナウンスが聞き取れず、親切な他の宣教師に2回とも教えて頂いたおかげで恩恵に与ることが出来ましたが、語彙も聞き取りもまだまだだなあ、と思わされました。
リトリートから戻り、少し落ち着いてから、日本から持ち帰った愛の泉献金で購入させていただいた毛布になる寝袋の献別の時を持ちました。お祈りの中で、祈り捧げて下さった日本の方々にくれぐれも祝福を、と乞われているのを聞きながら、「年会のために帰国した際は、いつも祈り支え、細やかなところに届いて下さる日本の皆様にくれぐれもよろしく」と言付かっていたのに、帰国中にお伝え出来ず、前回の広げた翼でも書いていなかったことを思い出しました。遅ればせながら、ケニアのスタッフ一同からの感謝の言葉をお伝えいたします。
 4月30日、4月を振り返って広げた翼の原稿の事を考えながら調理中、プロパンガスの中身が終わってしまったことに気が付きました。4月一杯は年次休暇が続いていたので、いつもより使用時間が多くなったことも原因のようです。翌日は国民祝祭日で営繕のスタッフも基本お休み、停電も時々あるので「電気があるから大丈夫」とも言い切れず、あ、また原稿に書くことが出来た、と思いつつも困りました。勤務終了時間ギリギリまでに営繕の方々が対応してくださり感謝でした。なぜか、ゲストの食事を準備中、など変なタイミングでガスが終わることが多いのですが、今回も助けが与えられて感謝でした。
年次休暇中も、ワッツアップという携帯電話の連絡網はつながっているので、病院関連の色々な情報が入ります。国から、また民間会社からの様々な保険料の年単位の未払いもあって、病院の経済状況は今も億単位での困難を抱えています。保険料の事なので、他の病院も同様の課題を抱えています。引き続き、病院の経済の必要が満たされますようにお祈りください。

祈祷課題
1.リトリートに出席できた感謝と年次休暇の感謝
2.医療保険料の病院への未払い部分が与えられるように
3.病院の働きが福音のために用いられ、働き人(ルカ10:2)が起こされ用いられるように